鈴木ビネー知能検査の古市出版

開発背景と著者の紹介

開発背景

鈴木治太郎博士の崇高な理念を引き継いで、2007年に「改訂版鈴木ビネー知能検査法」を小宮三彌太・塩見邦雄・末岡一伯・置田幸子氏による編集で発刊しました。それから20年程を経て、今回、2026年●月に刊行の運びとなった新しい鈴木ビネーⅡ知能検査法(SB-Ⅱ)は、最新の標準化データに基づいて再構成したものです。現代の子どもたちを取り巻く環境は、デジタル技術の普及や多様な背景のある子どもたちの増加など、激しく変化しています。今回の新版では、そうした現代的課題に対応しつつ、鈴木ビネーが本来持っている「臨床的有用性」という強みを最大限に磨き上げました。
 鈴木ビネー知能検査の最大の利点は、検査者が子どもと一対一で向き合い、反応の正誤だけでなく、その思考のプロセスや情緒的な変化を克明に観察できる点にあります。年齢尺度構成を維持しているため、子どもの発達段階を直感的に捉えやすく、保護者や関係者へのフィードバックにおいても、具体的であり、支援に結びつきやすい言葉を検査結果から提供することが可能です。
 本尺度の標準化にあたっては、全国の多くの皆様のご理解とご協力を賜りました。この場を借りて深く感謝申し上げます。多様性を尊重するインクルーシブ教育が進む中で、子ども一人ひとりの認知特性を多角的に理解することの重要性はかつてないほど高まっています。本尺度の作成にあたっては、既にスタフォードビネー知能検査が総合的なIQのみではなく、知能構造を分析するために領域を設定して結果のプロフィールを示せるようになっていることを踏まえて、「知識・言語」「概念・算数」「記憶・再生」「知覚・操作」という4つの領域を設定し、全76項目の問題が4領域に配置されており、2歳~成人を対象年齢として精神年齢19歳まで算出可能となっています(総合的なIQに加えて、領域ごとの知能レベルが表示されます)。新たな鈴木ビネーⅡ知能検査法(SB-Ⅱ)による知能レベルの把握は、様々な背景のある子どもたちがその持てる力を最大限に発揮できるよう配慮しており、教育現場における個別最適な学びの実現を強力に後押しするものと確信しております。また、発達障害のある子どもの支援現場では、検査結果を単なる数字による評価に終わらせるのではなく、個々の特性に応じた合理的配慮の根拠として活用するニーズが高まっています。本検査が提供する質的な分析データは、学校・療育現場などにおける個別の指導・療育計画の作成において、子どものつまずきの背景を解き明かし、具体的な学習支援プランを導き出すための道標となるはずです。
鈴木治太郎博士が抱いた「子どもへの深い慈しみ」の精神が、この新しい検査(SB-Ⅱ)を通じて、次世代の臨床家や教育者に受け継がれることを期待してやみません。

2026年●月
鈴木ビネー(SB-Ⅱ)研究会 
代表 橋本創一
他 編者一同

執筆者の紹介

橋本創一先生 ◆ 橋本 創一

東京学芸大学
現職教員支援センター機構 特別支援教育・教育臨床サポートセンター 教授

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熊谷亮先生 ◆ 熊谷 亮

宮城教育大学
大学院教育学研究科 准教授

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田中里実先生 ◆ 田中 里実

青山学院大学
教育人間科学部心理学科 准教授

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山口遼先生 ◆ 山口 遼

独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
研究企画部 研究員

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