◆発刊に寄せて……鈴木治夫
私が幼児のころ、父はよく遊び相手になってくれました。紙に図を描かせたり、銅貨を数えさせたりして遊んでくれました。
後になって、それが知能検査をしていてくれたことを知りました。高校へ進学した頃、私の知能指数を聞いたのですが、父はどうしても教えてくれませんでした。よほど悪かったのでしょうか。でも一言「頑張れば大学はなんとか卒業できるな」と言ってくれたことを覚えています。結局その通りになり、父とは別の道になりましたが、仕事にもありつくことができました。
数年前に、当時、上越教育大学の副学長をされていた小宮三彌教授の訪問を受け、現行の鈴木ピネー検査が時代の変化に適合できなくなっており教育現場等で困っていることなど現状について説明を受けました。そして今後も鈴木ビネー検査は是非とも必要な検査であることを力説され、そのご縁から「改訂新版」の発行が実現できることになりました。父もあの世からきっと喜んで見てくれていることでしょう。
新しく生まれ変わった鈴木ピネー検査が父の時代同様再ぴ活用されますことを願っております。
2006年11月
鈴木治夫(鈴木治太郎博士のご長男)